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2017年2月22日 (水)

完成見本を作る、その15

その後、いろいろ作ったり塗ったりしてましたのでまとめて近況。

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1/35「女性立像」の顔を加筆。

Wac336 Wac342
以前の状態と比べると、目を中心にキリリと引き締まって参りましたな。
睫毛を描く時は所謂「デカ目メイク」のように太い線で描くのが良いと悟る。下の睫毛も描いたほうが良いらしい。ほんとに女性のメイクと同じですね。

私も含めてモデラーはどちらかと言うとフィギュアヘッドのモールドに沿って線を引いてしまう傾向があるかと思います。女性ヘッドの場合は意識してキットのモールドに逆らい、メイクで大嘘をつくと良い結果が得られるのでしょう。

今後は原型を作る場合にも太い睫毛が描ける余地を出来るだけ与えておこうと思います。ま、充分な余地が無くとも無理やり描いてしまえば良いわけですが。

このヘッドはファレホで肌色の下地色を塗った後、ほとんど全て油絵の具で進めています。極薄く溶いた絵の具を重ねていく方法なので、一度に色がしっかり着かない。最初の段階では肌色の濃淡がハッキリ見えると思います。一層ごとに充分乾燥させながら色を重ねて、徐々に色のムラが無くなって行く様子も解ると思います。

この方法は時間が掛かり過ぎるのが難点。いっぺんに仕上げる事が出来ない私には向いてますけどー(笑)。

Oilpaint
ご質問も頂いたので技法について少し詳しく書きます。
上はコピー用紙。油絵の具はフィギュアペインティングに用いるには少々油が多過ぎる感じですので、紙の上に広げて余分な油を吸わせます。吸わせる加減はお好みで。30分か1時間かな?目で見てぎらついた油分が少なくなっておれば良いかと。

下は紙パレットを小さく切った物。ここに粘土ヘラでコピー用紙からこそぎ取った絵の具を移動させます。使っている色については追々。肌色にはジョンブリアンを使っています。混色して肌色を作るのも面倒なのでこれが便利です。いつも一定の色味なので時々加筆する際にも混乱がなくてよろしい。

Thinner
溶き油など。油絵の具は模型用塗料では描きにくい極細の線や点が描けるのは良いのですが、乾燥が遅いのが難点。乾燥促進剤を入れましょう。私はクサカベのものを使っています。入れ忘れると翌日に加筆出来ない・・・。この季節は特に乾燥が遅いのでご注意。油絵の具も下に塗った色が乾燥してから上に重ねるのがよろしい。ブレンドはなんぼでも出来るものですが、筆痕の凸凹が生じやすいし、色が濁って汚いかもよ。

ついでにつや消し剤としてタミヤエナメルのフラットベースを極少量加えています。入れ過ぎると白化しますので気をつけて。これを加えなくても油絵の具は乾燥後はだいたいつや消しになりますが、塗ってる最中にあまり艶々してると塗装完成時の色の調子がわからない事もあるので加えています。加えない時も多いです(めんどくさいので)。

油絵の具の乾燥後の艶は顔料を練っているリンシードオイルのせいでしょう。これをコピー用紙にある程度吸わせているので過度に艶が出る心配も減っているかと。キャンバスに絵を描く時は逆にリンシードを加えて艶やかな画面にしたりするのですが。

次に溶き油。主にテレピンですが、量も減って来たので最近はタミヤのエナメル溶剤を使用。両者はさほど変わりはありません。少なくとも結果には何も影響なし。エナメル溶剤のほうが多少乾燥が速いとも聞きますが大きな違いは無い感じ。まー乾燥促進剤を入れていますし・・。

瞳を描き込む時はこれでかなり薄く溶いています。軽く色に染まったほとんど溶剤みたいな状態。濃度は描く場所によって調整します。ほっぺた辺りは少し濃く硬く練ったほうがブレンドも容易かと。練り方で随分違うので上手く行かなくても諦めずいろいろお試しください。練りの調整のためにも紙であらかじめ油分を吸い取っておくのが吉。

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1/48さんのほうも進めています。うちの1/35ヘッドはやはり小さいですね。ヨンパチとあまり変わらないような・・・。マスターボックスの1/35ヘッドはヨンパチと並べるとかなり大きいですが。

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首から上はほぼ終わり、下に塗り進んでいます。こちらは目鼻口の描き込み以外は全てファレホです。金髪表現は頑張ってみました。結構光った感じが出たと思います。

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事前の金髪色研究。ファレホで塗るならご覧のボトル。可能な限り少ない色で混色するならこうですかね。右の2本で暗部、中央の2本で中間部、左の2本はハイライト。少し青の入った白がハイライトを強く見せるようですよ。黄色の補色みたいなものですね。絵を描くときの技法です。

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そして、そのテスト塗装。ファレホは極細の線が引けないのでどうしても面的に塗る事になります。漫画家がペンと黒インクだけで金髪を描く時のように多数の線を引けば良い効果が得られると目論んでおりましたが、ファレホではそんな細い線は引けず、またヘッドの髪のモールドも不明瞭でどこにどう線を引けば良いのかかなり悩んでしまう状態です。

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タミヤのエナメルだとどうだろう?とテスト。エナメルも極細の線は無理、乾燥が速過ぎて適切な濃度が維持出来ません。所有色が少なくて苦労しましたが、使用した色はベースがダークイエロー、ハイライトはホワイト、暗部は黒とオレンジと青からどうにかこうにか作り出しました。タミヤのラインナップにはもっと適した色があるでしょうが、エナメルは特にメリットを感じないのでこれまでじゃ。

私が思うに金髪の色は、ハイライトも含めた明るい部分は黄緑寄りの黄色で明度が高く彩度が低いもの、中間部から暗部にかけて徐々に色相はオレンジまたはレッドオレンジに移行し、明度は低くなっていき、彩度は意外と高めに移行して行くのが良いと考えています。

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昔、某お絵描き板で描いたお人形さんのらくがき。上記金髪の色はこれを描いている時に気が付きました。パソコンのお絵描きソフトはパレット上で色の属性を理解しやすいため、絵の具で絵を描いている時には理解出来なかった事も解るようになりました。

サムネでみると充分金髪に見える事と思います。適切な色を選び、明部から暗部にかけて特に彩度を上手くコントロールする事に尽きると悟る。ミニチュアフィギュアで金髪に失敗した例(金髪というより黄色に見えるような例)は、たいてい明るい部分の彩度が高過ぎるせいではないでしょうか?これはドールヘアなので全体的に鮮やか過ぎますが、金髪の明るい部分の色はさほど彩度は高くは無いはず。ダークイエローなどのサンド系の色が案外良い結果を生むのはその為でしょう。

また、金属のような輝きは「明度差で描け」と、学生時代の恩師の言葉が今も記憶に鮮明に残る。これはミニチュアフィギュアの表面上でも同じですね。

色相は黄色から橙赤くらいの変化(紫や青まで行っても構いませんがあんまり必要は無い)、彩度は明部は抑制し暗部は高め、明度は高低差を強く明瞭に幅広くとる。これが秘法と見たり。

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また、塗装を補う下の形も重要であろうと想像しております。髪の線を描きやすく塗装と良く響き合う形があるはず。形状はあまり曖昧にせず整理されていたほうが良いと思い、試作を始めました。これはうちの1/35ヘッドセットです。同時に美少女フィギュア風の髪造形も応用すべく真鍮線から後れ毛を削り出しております。上手く行きそうなので前髪も表面から浮いた表現にしましょう。

Hc35head001026
前髪など強度が必要なところは真鍮線から削り出した物を使ってみます。

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新たに同じヘッドを用意して本番。表面処理を終え、頭頂部の結い上げた髪を作った後でシリコンを塗り、ポリパテで髪のベースを盛り付けて行きます。形状調整の研磨は本体から分離して行います。パテサフの団子状態にならないように。

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強度の要らない部分はプラペーパーから切り出し、パテと絡めながら少しずつ取り付けて行きます。後れ毛と塊のバランスの良い配分、変化に富み、リズミカルで美しく流れ、塗装を助ける形状にという、これまた面倒な事を始めちゃいましたが(笑)。


説明しながら記事を書くと長いのう・・・。

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コメント

>毒さま
お役に立ててうれしゅうございます。

人様にお教えするには完成したフィギュアが無さ過ぎるので、解説なんか書いてもいいのか~と自嘲してしまいますけど。

日記とは申せど、人様にご覧頂くのですから何か参考になる事を解りやすく書くよう努めまする。私も他所の模型系ブログ等で教えられる事は多いので、こういうのは良い事ですよね。

また何でもご質問ください。私にとっても記事のネタになりますのでご遠慮なく~。

投稿: ねんどくん | 2017年2月25日 (土) 23時06分

凄くご丁寧な説明ありがとうございます!
雑誌でもここまで書いている物は皆無なので非常に有難いです。
フィギュアのモールドに沿って塗って行くとなんかシックリ来ないというのは実感しました。。。
フィギュア初心者なのでまだまだとても全てを真似出来ませんが何とか出来る所から挑戦してみます♪
ありがとうございました。

投稿: 毒 | 2017年2月25日 (土) 04時14分

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