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2018年4月 1日 (日)

大和その3 ケーブルホルダーなど

春が来てしまいましたが、まだフィギュア原型が終わらぬ・・・。
では3月の大和建造記録を。

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大きなボラードも作りましょう。ここは通風筒を兼ねているので再現。穴の中の十文字にインフィニモデルの0.065mmを使ってみました。交差する真鍮線は上下の段差が出ないように溝を彫って重ねています。また、基部の輪っかには真鍮パイプを使用。銅線を丸める方法は任意の直径に対応出来ますが、丁度良いサイズの真鍮パイプがあるならそちらを用いたほうが良い。

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ピンバイスに挿して工作します。輪の作り方は、鋸で出来るだけ薄くスライスした後でこのように必要な厚みの真鍮板の穴の中に固定し、上からペーパーがけします。

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エッチング鋸は魔改造して切れ味を上げています。WAVEのヤスリシートを小さく切ったもので削れます。このシートは素晴らしいです、極小のナイフ状ヤスリを作ってみたらこれが大成功。ナノドレッドのこんなところにも入ります。ここのパーティングラインを消す人もおらんでしょうが・・・。

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十字線は一段奥まった状態にすればベストだったと思います。十字線を入れる事よりもプラ棒の中心に正しく穴を開けるほうが難しいと感じます。何か方法を考えないといけませんね。

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当初はキットのモールドを生かしてこうしておりましたが、ちょっと太くなり過ぎるようで。

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キットでは水切りの側にあるボラードが何やら不思議な形をしている事に気付きました。金型作りのミスかと思いましたが塗装図でもこのような形になっております。このキットは不用意に削ると「実はそこは・・・」という事があるので何か変だと思っても調査が必要です。念入りな考証の元に作られていますので迂闊な事は出来ません。

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大和のボラードは特に変わった様子は無いが、武蔵のほうは何かみょうな事になっています。何がどうなっているやら・・・。港で見かけるアレみたいな形になっているのでしょうか?まさかね。この点について模型誌などでの解説は無いみたいで、メーカーさんの意図は不明。ま、大和のボラードは普通の形に作って問題は無い。

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4つ作って甲板に接着。プラ棒だと穴の形がもわもわしたものになってしまいます。真鍮でカッチリ作りたいところですが、我が家にはそういう工具が無いですな。

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取り付けもなかなかに難しい。正確に位置を決めなくてなりませんので冶具を用意しましたが、微妙に傾いてしまい結局は目で微調整する事になりました。

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ボラードの取り付け角度は現在このようになっています。フェアリーダーはキットの部品を加工して増やしています。前回も書きましたが、甲板面に対して90度で立つのか、喫水線に対して90度で立つのか、実艦写真や公式図を片っ端から当たってみたところ、このようにボラードの頂部の高さが揃っているのは深雪の公式図だけでした。深雪や他の特型の実艦写真では判然としません。

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パソコンで検討。喫水線に対して90度と思われる艦艇の多くはこのように頂部が揃っていないと判断。そのほうが造船所で高さの異なる2種類の部品を用意する必要が無く合理的だと思います。

手持ちの資料では甲板面に対して90度の艦艇のほうが多く、まあシアーの角度が強くなるとそうするしかないでしょう。どちらにせよ繋留作業に支障は無いようで、いろいろと繋留装置の勉強になりました。

製作中のものは後で慎重に切り取って頂部に高低差を付けておきましょう。呉の1/10大和もそうしてありますね。

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ボラードの次はキャプスタンとケーブルホルダーです。キットのままでも良い気がして躊躇っておりましたが、切ってしまえばもう作るしかないのでエイっと。

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伊藤さんの写真を見ると、大和のケーブルホルダーは武蔵とは若干細部が異なるようです。上部の円盤部の側面に注目を。武蔵の物は他の戦艦のものと変わりないようですが、大和はどういう事なのでしょうか・・・。

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他に、武蔵は基部外周に凹部がありますが、これは基部のカバーが外れていると判断しました。ブレーキバンドの整備のためか、外周部はボルト留めされた板のようですね。

また、武蔵の左舷の錨鎖管はボンネットが無く、平らな蓋のように見えます。泥が詰まっている可能性も考えましたが謎は深まり興味深いです。大和の錨鎖管は映像が不鮮明ですがボンネットは見当たらず、吹き飛んでいるのか穴が開いているように見えます。もうちょっと情報を集めて確認したいところです。

錨鎖を格納した後の錨鎖管はボンネットを平らな蓋に取り替えるのか否か?新たな疑問が生じてしまいました。この点についての文献資料は今のところ見当たらず。

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それなりに資料を見て作り始める(後に後悔する事になる)。リンクが噛合うようにしてみました。突起の数が不明でしたが(後に判明する)、リンクに合わせると5角形に(偶然正しかった)。

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噛み合い部を複製して増やしリンクを嵌めてみると、ちょっと背が高くなり過ぎて不安定な感じとなり、リンクの噛み合いは諦めて若干低くしてみるも、まだまだフォルムが違う。

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噛み合い部の直径を広げてまあまあどっしりした大型艦に相応しい感じのものが得られました。ブレーキハンドルはライオンロアの25mm機銃の照準器を加工。真鍮線はインフィニモデル0.15mmを選択。買っておいて良かった。0.1mmでは細く0.2mmでは太い。この差はこうした工作では無視出来ない大きさとなります。

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良い感じでしたが本当はどうなっているのか気になって海底映像を調査。どうやらハンドルの中心から出ている腕は6本あるらしい。シコルスキーさんもそうお考えの様子。

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調べを進めると結構出て来ます。梃子棒を挿入するような部分があり、かなりゴツイですね。作り直してみるのも一興なれど手間が掛かりそう。流用出来そうなPEパーツも無いので一応現状のままとします。照準器流用のハンドルもなかなか可愛いんですよ。

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次は防雷具用コロ付きフェアリーダーです。学研本で見てから大和を作る時は挑戦しようと思っていました。キットにもそれらしい簡単なモールドがあるかと思っていましたが何も無いですね。まずは寸法の割り出し。他艦の公式図からどうにか判明してプラ板で試作。とても小さい。長さ1.33mm幅0.75mmくらい、まだ大きいかもしれない。この大きさの中に複雑な構造を持っている。出来るのか・・・?

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次に0.05mm真鍮板で試作。毛抜きで摘んで加工出来る大きさと解ったので真鍮で作る事に決定。材料の選択は結構悩みますね。形状は学研本に詳しいので大変ありがたいそのまんま作ります。後に龍驤の写真でもう少し細部の特徴が判明しましたが、また別の機会に。

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彫金用タガネで薄く削ってからナイフで部品を切り出します。

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このノザワ製作所のタガネも素晴らしい工具でした。最近のお気に入りで、力を入れなくても真鍮がサクサク削れます。

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コロ用の穴を開けたかったのですが、何せ小さく、正確な位置に開けられないので、コロはイモ着けとします。正確に中心点を得る事、直角に穴を開ける事など、解決しなければならない問題です。顕微鏡細工ではこれが意外と難しいのです。大きな物なら方法はいくらでも思いつくのですがニントモカントモ・・・。

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組み立て。背景が一円玉なので大きさが想像出来ましょう。組み立てるとかなり生命力を吸われます。接着は粉を入れないアルテコSSPに専用の遅延剤を混ぜて充分な位置決め時間を確保して行います。アルテコの液は瞬着剤としてもかなり(説明し難いが)良い物で愛用しています。が、通常サイズの工作なら他の瞬着でガンガン行ったほうが良いでしょう。

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コロを入れます。0.25mmの棒が必要ですがそんな物は無いので伸ばしランナーから採集。接着は以前紹介した油絵の具を用いる方法でやってみます。アルテコ液でも危ない気配なので・・・。相当な慎重さが要求されそうなので先にキャプスタンを。

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大和のキャプスタンは山本さんの写真にバッチリ写ってますね。しかしこれがまた他艦のキャプスタンと違うようで。また、キャプスタンの中にはケーブルホルダーがこっそり隠れている事も分りました。

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長門、榛名、霧島のキャプスタンのように人力棒を挿入する穴が無く、頂部に畝を取り付けるためのピンも見えません。この辺の考証はまだ進んでいないと思います。霧島の写真でケーブルホルダーの噛み合い部の突起の数が判明。

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大和も後部の小型キャプスタンはこれで良いと思っています。情報が無いのでこれで行きましょう。クレーンのある後甲板で撮った記念写真があるそうで、あの本を入手せねばなりませんな。何が写っているのでしょうね。

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キャプスタンの造形的特長を分析。畝は7本と判断。小型の畝は5本らしい。頂部のピン穴も秩序があります。大和もピン穴くらいはあるのかもしれません。

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円盤は自作のコンパスで切り出します。噛み合い部はケーブルホルダーの部品を流用。ポンチで打ち抜くのも良いのですが、コンパスの良さは任意の直径に対応出来て中心点が分る事。せっかくの中心点もドリルで穴を拡大する過程でズレてしまいますけど・・。螺子式小型コンパスの導入も考えましたが満足の行く物かどうか不安のため自作。

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コンパスは縫い針から作っています。このように脚が短いために剛性が高く、まったくブレずに小さな円を切り出せます。プラ板で間隔を調整して、瞬着で固めたら余分なプラをカットして、ピンバイスに挿して使います。計測は0.1mm真鍮線を束ねた物差しで。これで1.5mmの物差しですね。

縫い針から自作した鑿やナイフはびっくりするほど高性能で、いろんな形状の物を自作しています。お試しあれ。

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仮組み中。一応図面は引くのですがどうしても誤差が出ます。修行が足らん。ちょっと上の円盤が浮いてしまうので微調整・・・。

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そして主要部品を接着。まだ取り付ける部品があります。

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ケーブルホルダーと共に仮置き。

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改造前と比べると甲板にメリハリが付いて良いものですな。と、ここで「錨鎖管も作りなさい」との天のお告げを聞いたので(笑)、まだまだ錨甲板は続きます~。

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コメント

>毒さま
お久しぶりですー。
いやはや、どんどんエスカレートして困ったもので(笑)。

生命力を吸われたアレは確かに凄まじかったです。たいていの作業は20倍で済むのですが、アレは40倍でないと状態が良く見えず、かつてなく疲れましたねぇ。気合が高まるのを待ってコロを入れたいと思います。

大和は毎月の工事をまとめる形で更新しようと思います。お楽しみになさってください。

投稿: ねんどくん | 2018年4月 2日 (月) 06時00分

また気絶しそうな工作ですね(((;゚Д゚;))))
生命力を吸われると書かれてるのも分かる気がします(笑)
このスケールでボラードに十字が入ってる作品は見た事ありません。

次回の更新も楽しみにしてます~♪

投稿: 毒 | 2018年4月 2日 (月) 02時42分

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